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お母様にでしょうか、台所に立ち、料理する詠者の姿が眼に浮かびます。食べる事は生きること。そして少しでも長く生きて傍にいてほしいという強い思い。その想いが強く心に響く一句です。ただ一心に心を込めて料理を作る。その詠者の強い思いに思わず目頭が熱くなりました。きっとその想いは伝わります。伝わる事を信じて、審査員満場一致で今年のキラク大賞に選ばれました。
4年目を迎えたキラク介護川柳は、今年も約5000通という沢山のご応募を頂きました。審査員一同、感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。
毎年応募してくださる施設様、初めて応募くださる方、またFAXやお葉書で応募くださる方など、応募点数も年々増えており、審査員一同嬉しい悲鳴を上げております。ご応募頂いた川柳は、一句、一句詠まれた方の心に寄り添いながら大切に読ませて頂きました。
今年、日本は東日本大震災という大きな災害にあい、改めて人への優しさと思いやり、人と人との助け合いや絆を再認識した年でもありました。今年の川柳はそれを反映し、賞に選ばれた句はもちろん、どの句も人に対する優しさ、思いやりに満ちあふれていました。人の強さと素晴らしさを感じる瞬間でした。
このキラク川柳を通じて、川柳を詠むことで、元気になったり、思わず微笑んだりして頂けたら嬉しく思います。応募してくださいました皆様、本当にありがとうございました!そして、影で支えてくださっている皆さん、本当にありがとうございました!
来年もまた、素晴らしい一句に出会えることを楽しみにしています。皆様のご応募を心よりお待ちしています。
キラク介護川柳の部屋 運営事務局
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年を重ねる毎に月日が経つのを早く感じられます。しかしながら100年一世紀をあっという間だと言い切る潔さには、清々しさを感じます。そしてその言葉の裏には、一言では伝えきれない色々な想いが隠されており、そのすべてを包み込む強さを感じます。なんて素敵な人生でしょう。あっという間という100才の方に是非、人生の素敵な先輩として、お会いしたいと想わせる一句です。
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徳島の方にとって「阿波踊り」は小さな頃から生活の一部として息づいているのだと改めて感じる一句です。小さい頃から踊り続けている「阿波踊り」は、楽しい思い出と共になくてはならないものなのでしょう。手だけで踊る「阿波踊り」を優しく見守る詠者の眼差しと暖かな心を感じる一句です。
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詠者の真っ直ぐに一歩一歩誠実に人生を歩んできたことを感じる一句です。自分史には、大切な思い出が沢山刻まれていることでしょう。特に奥様と出逢われてからは素敵な輝きに彩られ、笑ったり、泣いたり、怒ったり沢山の思い出が溢れているのではないでしょうか?
奥様の介護を通じて、詠者の自分史がより輝きを増し、奥深いものになる事を心から願っています。いつまでもお元気でお過ごし下さい。 -
照れで笑ってしまう気持ちに共感します。
障害をもつ身、介護の現場は“下”のことを抜きにしてはありえない世界です。それは悲しむものでも、忌み嫌うものでもない。生の原点です。恥じらうお母様と母の笑顔を自分の喜びに感じているお子さんとの「やりとり」が目に浮かぶ作品です。幸せな日常がずっと続くことを願っています。
(評:鈴木ひとみ)
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「お面ろい川柳クラブ」の名の通り、読むと思わず笑ってしまう、そんな楽しい介護川柳をたくさんご応募いただきました。職員の方とのやりとりや、デイサービスでの出来事など、普段の生活を詠んだ「お面ろい川柳」。施設で楽しく時間を過ごされているご様子が自然と目に浮かび、また、川柳作り自体をとても楽しんでされていることが伝わってきました。読む人を楽しませ、幸せな気持ちにさせてくれる川柳のご応募、本当にありがとうございました。
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生徒の皆さまから192作品もの介護川柳をご応募いただき、前回に引き続き今回も見事、団体賞受賞となりました。先生はキラク川柳を「生徒の感性や表現力を養う最適な材料」、また「介護について再度自己を見つめ直すことができる」と、国語表現の授業でキラク川柳を取り上げてくださいました。思いやりに満ちた高校生の介護川柳は、あたたかく豊かな気持ちにさせてくれました。本当にありがとうございました。
順不同 敬称略