第1回キラク川柳 6月の月間優秀作品｜キラク介護川柳の部屋

介護者と 発明捻り 共同出願す

おばあちゃん 重い荷物は 僕持つよ

歯があれば 硬い物でも 食べたいね

幸水の 味よき郷で デイの日々

ホッとして 笑みがこぼれる 処置の後

おばあちゃん 小鳥を見つけて 子供の笑顔

自分より 子や孫のからだ 心配し

感謝する 言葉が出ずに 涙出る

猪木まね 元気ですかと 声をかけ

減塩の 味噌汁だけど まだ辛い

汗だくの 笑顔が癒す デイの風呂

杖ありて 生活できて ありがとう

手を取れば 笑みがこぼれる 老いの皺

おふくろの 主治医はテレビの みのもんた

本よりも 為になるなる 人生論

手を握り 軽く揺らさば 笑う君

大切な 人のために できること

介護する 職持つ人は 天使なり

清拭で 水もしたたる いい男

役目きて 母の偉大さ 知る介護

デイ楽し 唄う笑顔の 戦友（とも）メール

デイの日だ 朝から腰が 落ち着かぬ

認知症 愛する妻に 変わりなし

ハモニカを 再び吹いた デイの父

いい天気 スピード違反の 車椅子

亡き祖母に よく似た笑顔 頑張れる!!

思い出を 介護で返す 年となり

携帯の アドレス登録 イロハ順

啄木の 唄にも似たり 母を抱く

寝たきりでも 祭りの音頭に 手が動く

見えぬ目で まぶしい春と 笑う母

宝物 孫からもらった 肩もみ券

介護して 会話が増えた 家族の和

夜勤明け あくび踏ん張り 笑われる

あっはっは 笑う介護に 福来る

我が家には お金は無いが 笑いあり

献立表 デイのランチは ホテル並み

車椅子 押して花の名 教えられ

その昔 背負った息子に だっこされ

七夕会 八十路織り姫 頬染める

「お世話さま」遠慮が解けて「遅いわね～」

枯れそうな 木の 芽吹き見て 力得る

不自由を 自由と思える 介護の手

身の上も 知って介護に 血がかよう

ポケットの 懐中時計のように 母思う

寝たきりで やけに愛しい 蜘蛛の糸

介護する 母の手温し 冬の朝

親子だね 指の形も ガンコさも

思い出す ために戻った 元の位置

碁敵が できて血圧 下がらない