賞状と副賞(5万円の商品券)進呈-
この作品からは、子から母への、今まで家族のために尽くしてくれた恩と、まだまだ元気にデイへ通って欲しいと願ってやまない心情が感じられます。デイから帰って来る母の笑顔には、感謝や喜びが溢れているのでしょう。だからこそ、母からもらって嬉しいお土産は、モノではなく、その笑顔と心なのです。
川柳の内容は抽象的ですが、笑顔とお土産を結び付けたところに、母が元気に幸せでさえいてくれたら十分嬉しいという、子どもの想いが感じ取れます。子どもと母の通い合う精神的な面が、上手く表現されています。
今年もキラク介護川柳にたくさんのご応募を頂きありがとうございました。回を重ねるごとに応募数は増え、今回は6000件を越えるご応募をいただきました。また10〜90代と非常に幅広い年齢層の方から応募いただいており、みなさまがそれぞれの立場での介護を考え、想い、川柳にしたためてくださったと思うと、大変嬉しく光栄に思います。審査を終え発表を迎えた今、みなさまに愛され続ける、そして心に寄り添うコンテストでありたいと、改めて感じております。
日々の介護の中で、ふと幸せを感じる瞬間や、親への感謝を想う句が、今回多く目に留まりました。決して楽な道のりではない介護ですが、その中で好きな瞬間を見つけ、介護を楽しむ気持ちを忘れない心持ちは尊敬に値します。まして、親子間だと余計に感情的になることもあるでしょう。しかし、互いに思いやり気遣うことで、それが言葉でなく手をにぎるというたったひとつの動作であっても、心が救われあたたかくなることと思います。生活の中でその大切さに気付き、感謝と楽しむ心を持ち合わせていたいと思わされる句がたくさんありました。
今年も特に九州では豪雨被害に見舞われ、多くの方が被害に遭われたことと思います。福祉施設のニュースも目にしました。キラク介護川柳が、少しでも皆さまの心に届き、癒しや安らぎを与えることができたらと願っております。
ご応募いただきましたみなさま、そしてキラク介護川柳をささえてくださっている皆さま、本当にありがとうございました。来年もまた、心に響き癒しに変える素敵な川柳に出会えることを楽しみにしております。
キラク介護川柳の部屋 運営事務局
- 優秀賞賞状と副賞(2万円の商品券)進呈
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この作品は、リハビリ中の句であると拝察されます。リハビリの効果は、介護をする方とされる方との息がぴったり合うと高まります。リハビリは辛くて心の中は坂道だけど、もう少し、もう一歩と希望を持ちながら乗り越えようとする、お互いの前向きな姿勢が感じられます。
川柳のかたちとしては、リハビリ中の方を励ますような介護する方の気配りも感じられます。人は心の持ち方次第で、辛いことでも楽しくなるものです。その気持ちが、明日への希望となっていくことでしょう。 - 優秀賞賞状と副賞(2万円の商品券)進呈
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赤ちゃんが泣くと、抱っこしてよしよしと宥めます。この作品は一人称で、現在自分の置かれている辛い環境の中、赤ちゃんのように泣きたい自分の心を「抱っこする」と表現することで、「泣かんでも良い」という前向きな気持ちに繋げています。
人間は優しい心の持ち主です。「抱っこする」ということは内在的なその人の愛の証です。元来赤ちゃんは泣くことによって自分の欲求を主張していますが、この場合は欲求ではなく、赤ちゃんのように泣きたい自分を「泣かんでも良い」とやさしく包み込み、感情をやわらげてくれています。 - 優秀賞賞状と副賞(2万円の商品券)進呈
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介護する側の方からの作品です。ひとりひとり、介護への考え方は違います。「言うは易く行うは難し」ということわざもあるように、満足のゆく介護には限りがあります。対応するにはやさしさも大事ですが、自分を信じる強い決意も大事という、従事される職員や係の方の心情が詠まれています。
介護にたずさわる中、自分のやり方が不十分に感じ、弱さが表に出そうになることもあるでしょう。そんなとき、介護を求める方を支えてあげようとする強さ、そんな自分を信じる気持ちが大切なのです。どうか挫けずに、と応援したくなる句です。 - 鈴木ひとみ賞賞状と副賞(1万円の商品券)進呈
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まるで私の心を言い当てられたようです。怒った後に後悔し、もう繰り返さないぞ、と自分に誓う。母を怒鳴ってしまった後、その3倍は自分を打ちのめす。介護は綺麗ごとではない現実が確かにあります。あなただけじゃない。怒りたくて怒っているわけでもない。でも怒らない方がいいですね、と自分に言い聞かせる。怒っても誰もハッピーにはならないですもの。さらに母への包容力も失って行く気がしました。どうぞ、頑張りすぎないでください。
あなたが穏やかで幸せでいられますように。それが、受ける側の幸せに繋がります。
(評:鈴木ひとみ)
順不同 敬称略
- 団体賞
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多数ご応募いただいたのは、デイケアセンターのご利用者とそのご家族と思われます。みなさんで互いに気持ちを共感し合いながら、前向きにリハビリに励んでいらっしゃる姿が想像できました。
「今おもう長いリハビリ今がある」 「ありがたい介護リハビリ歩けるよ」
乗り越えた先に待つ明るい未来に、希望を持たせてくれる作品です。この川柳を通じて、同じ境遇の方が少しでも励みになればとてもうれしく思います。
これからもどうぞ頑張って下さいね。たくさんのご応募、本当にありがとうございました。