お部屋の中は、趣味のアート盆栽や粘土細工の作品がたくさん飾られており、その素晴らしい出来栄えにとても驚きました。それもそのはず。田端様はご自宅でアート盆栽の教室を開かれている先生だったのです!
その他にも、ご自宅で無料の図書館を開き近所の子どもたちに紙芝居や読み聞かせをされていたそうで、童話や絵本がずらりと並んでいる、とても素敵なお家でした。
また、30代の頃から短歌をされている田端様。川柳にも通じるものがあるのではと感じ、今回偶然見つけたキラク介護川柳にご応募いただいたとのこと。初めて詠んだ句が大賞に選ばれるなんて、田端様の多才さを物語っていますね。
キラク大賞を受賞した川柳「八年の介護も今は物語」は、10年前までお義母様の介護をされていたときのことを思い返して詠まれた句。当時はつらくて人に話すことができなかったことも、10年経った今では物語のように人に話せたり、アドバイスできるようになった現在の気持ちを詠まれたそうです。
お義母様とは対立することも多かったそうですが、自分の息子のことは忘れても、毎日つきっきりで介護をされていた田端様のことだけは「みっちゃん」と最後まで覚えていたとのこと。「だからけんかもしていて良かったと思えるようになりました。」と話されていた姿が、とてもたくましく、印象的でした。
写真が趣味という旦那様も同席され、とてもなごやかな雰囲気の中、写真撮影をさせていただきました。お二人でよく風景の写真を撮りに出かけるそうで、多趣味なお二人の日々にとてもあこがれを抱きます。
「趣味があったからつらい介護も乗り越えられたんだと思います。」と話す田端様。明るくアクティブで包容力のある田端様のお人柄が、周りの人やものを惹きつけているのだと思います。天国のお義母様も、言葉にはしなくても、きっと田端様と過ごすことで楽しい日々を送られていたのではないでしょうか。