第7回キラク川柳 5月の月間優秀作品｜キラク介護川柳の部屋

介護して義母の娘になれました

あれこれと重く抱えて妻が来る

介護されそれでも母は子を思う

「介護じゃない！」母との時間がタカラモノ

「光」ですこの日この時この場所が

「しっかりと泣きたいために介護する」

人生の余白を生きて自分流

買ってでもしたい苦労と見栄を張り

笑う顔見たい何でもするからね

車椅子隣に乗れと父が言い

合わす手の合わないままに暖かい

寝込まれてカカア殿下よ今一度

また来いよ！振る手の位置が低くなる

介護でも、良いからさせて、親孝行

頑張ったけれど借りたい嫁の手を

母の皺伸びないけれど撫で続け

子の顔を忘れてからの母笑顔

夕映えを見守る仕事だ介護職

未来って今日頑張った積み重ね

介護の手休めて夫婦手を握る

介護終え介護されてる夢を見る

一年が早いと母は空を見る

八十を先輩と呼ぶ七十九

「ごめんね！長生きをして」母なみだ

臥す我の辞書から消えた当たり前

より赤く染めて介護の赤い糸

皺の手に皺を重ねて介護する

リハビリの指に歌わす数え唄

涙より笑いのたねを探す日々

支えてることが支えになっている

老い方は母の背中に書いてある

イライラをキラキラに変えがんばるぞ

今日歩くことは明日も歩くこと

母よりも先には逝かない指切りね

教科書で学べないこと有難う

厳格な父はボケても父のまま

リハビリで明日の幸福教えられ

寄り添って気づくと恵方向いている

寝たきりの母に姿勢を注意され

私に敬語を使う父を見る

母を看て家路を急ぐ終電車

出来ることいっぱい増えて母笑顔

人生を多く教わる介護より

笑い合い抱きしめ合ってわかり合う

無理するな無理をしてる父が言う

赤い糸背を撫でそっと締め直す

嘘をつくこともいたわり花菖蒲

リハビリを修業と笑いとばす父

一言で人生変わるいい方へ

わらべ歌今度は私が歌う番