第9回キラク川柳 4月の月間優秀作品｜キラク介護川柳の部屋

臥す父に写メで届ける春の音

リハビリ後菓子つまむ母笑う父

ひとさじが命をつなぐあしたへと

思い出に残るあなたは笑ってる

介護でも喜び見つけ手を添える

五分前と同じ話だでも笑顔

介護終え今度は自分が介護され

寂しいと聞いた数だけ眠れぬ夜

私だれ？聞くと答えは好きなひと

真剣に考えないで呆けてみる

いつまでも一緒に楽しみ生きてこね

手を添えて心添えれば暴れない

よっこらしょ口癖真似る介護ロボ

老々（ろうろう）に強い味方の介護ロボ

うなづいて笑顔で聞くのが命(ぬち)薬

声失くし孫とメールでおしゃべりに

疲れないほどほどがいい介護です

他人事いずれ私事となる

かくれんぼ母はいつでも鬼になる

おむつ替え私の番だねお母さん

大家族鍋も介護も分け合って

孫折りし鶴が見守る枕元

笑顔ならいいさ覚えていなくとも

まだ子ども思った息子が父背負う

もう一度介護させてと手を合わす

大きかった父も小さく背におぶる

母さんと母に呼ばれて背中拭く

介護中開く心もバリアフリー

ばあちゃんが朝と言い切る夜中２時

母は今遠くのあの日見つめてる

嫁姑季節がめぐり母と娘に

繰り返す問いに答えを繰り返す

母の元同じ話を聞きに行く

いびきでも聞こえて安心老介護

親父見て心で叫ぶお父さん

五分五分の希望を胸に介護する

赤ん坊の時にこうしてくれたよね

介護ってドラマのようなものじゃない

涙見せ弱音吐く日もあっていい

諦めぬ父の背中を見た介護

泣く孫に満面の笑み見入る祖母

この国は老人力を持っていた

表情で母の心中逃さない

何事も楽しんじゃえばいいんです

母が子に子が母になる介護の日

湯の母を何度も覗き叱られる

母介護心に報酬もらってる

「また明日」言いつつ何度も振り返る

踏み出した一歩の勇気明日の夢

永年の苦労も吹っ飛ぶありがとう