運営事務局の一句

vol.75

人生史語る表情目映くて

詠み手 キラク川柳の部屋
運営事務局
立花 由佳

 キラクの商品開発を担当している立花です。介護現場を深く知ったうえで商品を開発するために、施設実習に通っています。
 先日のデイケア実習にて、ご利用者とお話しをする機会がありました。現役時代、高校の図書館司書をされていたそうです。汽車で学校に通われていたことや、生徒と過ごされた日々のことを昨日のことのように鮮明に話してくださいました。その表情は笑顔と優しさに満ちあふれており、学校で過ごされた日々が人生においていかに輝かしく、大切な時間だったのかが伝わってきました。その方が新聞を手に取り見せて下さいました。20年以上も毎日「天声人語」を一言一句漏らさずノートに書き写しているそうです。「あなたもこうやって毎日書いたらいいわよ。」とにっこり微笑んで下さいました。表情や言葉に、人としての厚みと温かみがにじみ出ていました。
 人生の大先輩を見習って、自分の過ごしてきた日々を40年先、50年先に熱く語れるように昨日より今日、今日より明日成長していこうと強く思った瞬間でした。


写真はご利用者が作られたお花の飾りです。
施設の廊下を華やかに彩っていて、
私たちの気持ちまで明るくしてくれます。

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