vol.90
キラク川柳の部屋
運営事務局
北谷 美優
私の祖母は、3年前にがんで亡くなりました。
がんが発覚し初めは病院で過ごしていましたが、祖母が家に帰ることを望んだため、数か月ぶりに祖母が我が家に帰ってきました。その日から祖母の介護の生活が始まりました。
介護が嫌だと思ったことは一度もありませんでしたが、細く、ガリガリになっていく祖母を見ることが辛かったです。そのせいか、同じ屋根の下にいる祖母になかなか会いに行くことができませんでした。祖母が亡くなる前日の夜、ふと、祖母の細い手を握りました。手の大きさは違えど、私の大好きな祖母の手でした。今までは、怖くてきちんと見えていなかった祖母の手は、がんと闘った証だと気づきました。
私は、あの日握った手は祖母との思い出とともに一生忘れないものとなりました。
祖母は旅行好きで、よく「私が働く理由は、
孫と一緒に旅行に行くためなんよ。」と
口癖のように言っていました。
この写真は、祖母と妹3人で最後に
行った旅行の写真です。
長崎のハウステンボスへ行き、
三人で一日中楽しく遊びました。
祖母との大切な思い出の1枚です。